ぼくは、任天堂のDS・Wii時代の社長「岩田聡」さんの思考・リーダーシップ力・人格を深く尊敬しています。
岩田聡さんが任天堂の推薦図書として「観想力空気はなぜ透明か」を挙げていました。
おすすめされたときは、任天堂がDS・Wiiを登場させる前の業績が低迷している時代。
当時、岩田さんが何を思ったのかが気になり、これは読むしかない…!と思い、読んでみました。
結論を言うと、読んでみて本当に良かったと思いました。
常識を疑うためには、勉強になる本。
著者:三谷宏治さんとはどんな人?
1964年大阪生まれ、福井育ち。小学校入学直後40日間の入院中に差し入れられた100冊の本を読破。読みかじりを人に教える快感に目覚める。大学浪人時に通った駿台予備校では、教えることの技術に衝撃を受ける。
東京大学理学部物理学科卒業後、直接、外資系コンサルティング会社に就職。以来19年半、ボストン コンサルティング グループ、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。
外資系のコンサルタントの方で、現在は金沢大学院の教授もされています。
観想力空気はなぜ透明かの要約:常識を疑うための本
空気はどうして透明なの?と聞かれて、すぐに答えが出せるでしょうか?
ぼくは少し考えたのち、
そんな風に考えました。
もしそんな風に考えなかったとしても、
「空気の分子が光とぶつかりあって…」
そんな風に考えるのではないでしょうか。
しかしこれはあくまでも、透明である物理学の定義を示しているだけです。
物理学で言うと…透明はこういう理由があるからというだけと述べているだけ。
なぜ透明かの答えではない。
この本ではなぜ透明かの答えを、人間の眼が透明だと見えるように進化したと説いています。
たとえば、牛や馬は世界がモノクロに見えているわけですから、人間と牛では見えている世界がちがうのです。
この本は、そうした考えは誤りではないかと指摘しています。
直感で信じたことを思ってしまうのではないかと。
行動経済学の分野では、こうしたことをヒューリスティクスと呼ばれています。
正しい情報を集め、正しく問いかける。もし問いかけが曖昧なら、逆の仮説を証明することを述べています。
たとえば、ヒカキンチャンネルの登録者数は現在より1万人伸びるだろうか?
自分は伸びると思ったなら、伸びないを反証できるかチェックしましょう。
誤ったことを事実と認識してしまわないような考え方・実例を紹介し、様々な国内・国外の事例を用いて説明しています。
観想力空気はなぜ透明かを読んだ人の声
Amazonレビューより以下引用。星5評価の中で、3.9。
1章の序盤で、表題にもなっている「空気はなぜ透明か?」を含めて、いくつかの問を読者に投げかけます。
著者が用意している回答に到達するには、どんなに優れた論理的思考能力があっても、
一般的な知識だけでは不十分で、ドメインエキスパートなみの知識を必要とします。問題解決の本質は、一般的な知識+αを元に、論理的思考を展開することで、多くの人に納得感のある回答を引き出すことだと思います。
実際のコンサルテーションの現場では、短期間でドメイン知識を蓄えることで、+αの部分を極限まで高め、
ドメインエキスパートであるクライアントの琴線に触れる回答を出す必要があるのだと思います。
しかし、そのレベルのことを一般書籍の例題として用いるのは全く不適切だと思いました。
題解決法の本には、常識にとらわれない、物事を俯瞰的にみる、視点を変える など よくでてきますが、わかったようで、ピンとこないことが多かったように思います。
この本では、非常に具体的で身近な題材で、それらを解法してくれます。
かかれている”問い”に対して、じっくり自分なりの答えを考えてみる・・・ それもまずは、”問い”自体を考えてみる。
そうして、読み終わったとき、「観想力」が少しでも身に付いたように思えました。
問題解決法の本は、もうさんざん読み飽きたという方にもおすすめします。
新鮮な”気づき”を得られます。
チーズはどこへ消えたに引き続き、短い文章で本質を突いていると思います。定期的に読み返すようにしています。会社でも多くの人と共有しました。
あるようで、世の中に中々ない本だ。
著者の思考の深さを感じる。
具体的な企業での例も多く掲載されており
納得感も高いと思う。
問題解決の本としては、巷にたくさん転がっていますが、問い・回答の本質を問いかける本になっています。
観想力空気はなぜ透明かの感想:正しく問いかけ、正しく答える方法が面白い
いくつか衝撃的な見解を述べていて、びっくりした箇所がありました。
代表的な例を挙げると…
カジノでコイントスをして、親(カジノ)か子(自分)のどちらが勝てると思う?質問。
コインにイカサマはなく、確率は50%。あなたはどっちが勝つと思う?という問いかけ。
読んだときには、
確率50%なら、子でしょ!だって、俺は運が良いから!
堂々と答えに自信を持っていたけど、答えは親。
子が負けたら、破産するけど、親だったら負け続けても生き残るから。
正直、ずるいなぁと思いましたね。
なんでもありか!ずっとやり続けるとは思わなかったよ!
しかし、文中には条件文もない。
あくまでも、ぼくが、勝手に想像して勝手に答えを出しただけ。
つまり、条件に疑問を持とうとしなかった時点で、ぼくの思考力不足なんですね。
何回試行錯誤するの?途中でやめていいの?
疑問を持たずに、直感的に答えを出してしまいました。
これこそが誤った判断であるわけです。
自分では当たり前だと感じていましたが、新しい気づき。
また、週刊少年ジャンプが1960年~80年代に週間少年マガジンを越せた理由に
ジャンプは、大物連載を持っているマガジンとは違い、新人発掘・新連載を目標にした
マガジンはターゲットを20代・30代などの読者層に合わせすぎてしまったが、ジャンプは一貫して10代に集中した
ジャンプは、10代読者をターゲットにし続けた結果、新規客を取り続けることができたと言います。
今は少子高齢化や漫画の年代への普及により、メイン読者が20代にはなっていますけどね。
ぼくは一時期第五人格のYouTuberとして、動画制作をしていましたが、伸び悩んだときにちがうゲームの動画ばかり投稿していました。
しかし、さらに伸び悩む結果に。
チャンネル名(フレッシュすばるくん)は第五人格のみで扱うのが正解なんだと思いました。
ブランドは、ブランドとしてドッシリ構えていないといけないわけです。
あれもこれも手を出すだけでは、微妙なんですよね。
もし違うターゲットを狙うなら、違うチャンネルでユーザーを狙うのが良いのでしょう。
ほかにも、具体的な例をたくさん挙げられている本だったので、学ぶが多かったですね。
思考力足りていないと思っている…
常識を超える考え方をしたい!
そんな方には、ピッタリの本ですよ。